ジャック・ニコルソン扮する偏屈売れっ子恋愛小説作家。
「ドアの鍵は必ず5回開け閉めしてから掛ける」「歩道の舗装の切れ目は絶対に踏まない」「外食時には必ずプラスチックの食器を持参して使う」など偏屈というより、偏執狂、潔癖症
またその毒舌も、あまりにもぶっとんでいて笑ってしまう。
ニコルソンのその演技が素晴らしく笑える。
隣人の画家が同性愛者であることを事あるごとに茶化したり。
いや、茶化してはいないな。本気で思っていることをそのまま口にしている。

物語はそんな偏屈な男が次第に心を開いていく話、、、
かも知れないが、違うかもしれない。
もともとニコルソンの持っていた善意に周りが次第に気付いていくとも思える。

原題は「As Good As It Gets」
「得られるうえで最も良い」という肯定的な意味にも
「こんなもんだよ」という否定的な意味にも使われるそう。
実際の映画の中では、アポも取らずに精神科のドクターに押しかけ
追い返された際に待合室で待っている患者達に向かってニコルソンが
言ったのが「what if this is As Good As It Gets」だった。
翻訳字幕では「希望なんてあると思うな!」とかなんとか。

「恋愛小説家」という邦題も悪くないと思う。
冒頭ホモのサイモンに「あなたは何も愛していない」と指摘された 「恋愛小説家」が
終わりには、「彼女を愛しているからだ。」と諭される。