終戦の日

戦後70年。僕は確か39才なので戦後の半分以上を生きたことになる。最近、戦争がつい最近の出来事だったと思うようになったのは、何のことはない、単純に戦後の半分以上の歴史を知っているからってことだと気付いた。「もはや戦後ではない」と宣言されたのが戦後11年の1956年。それから59年。だから今年は戦後70年ではなく、戦後後59年である。なんてことが言いたいわけではなく、本当にもはや今は戦後ではなく、次の戦前あるいは戦中に向かっているかもしれない不気味さがあるということ。
戦後70年の安倍談話が発表された。発表前から多くの人が10年ごとにそんなものを発表する必要があるのかと言っていたし、僕もそう思っていた。発表されると、右寄りの(もっと過激な内容を期待していた)人からは物足りない、逆の立場の人からは何を言っているのかわからないという反応だった。
僕は読んでみて、実はちょっと感動した。少なくともわざわざ談話を発表したい、という意味が分かった気がした。50年目、60年目の談話とくらべて長さが3倍近いこともあるけれど、本当に言いたいことを言葉を選びながら書かれているように感じられた。
誰だって戦争がしたいわけではない。安倍さんだって安保法案を通した方が平和になると思っているからそうしているのだろう。そして反対している人は、安保法案は戦争に近づく法案だと思って反対している。当時なぜ戦争が起きたのか、そうして今、何が起きているのか。その点を明らかにしない議論はあまり意味がない。この談話では戦争の原因として世界恐慌と経済のブロック化を挙げている。その正否は置くとして、原因を挙げたことは評価するべきと思う。安倍さんの言う「未来志向」の部分だろう。
僕の「未来志向」として、戦争をなくすために、そろそろ「国」が一つの地方自治体のようなものになって「国」同士の利害を調整するその上の組織を作るべきだと思う。 国連には今のところその力が無いけれど、国連か、または別の組織が世界全体を統括するべきだろう。そうなるのは簡単な道筋ではないだろうけど、そのロードマップを具体的に検討する時期なんじゃないだろうか。