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- 作者: 森達也
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 単行本
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「死刑を巡るロードームービー。」
「人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う。」
森達也が、死刑について取材を重ね悩みまくる。
よくまあここまで、と思うくらいに、しつこく。
予め言っておくと僕は元々廃止派である。地下鉄サリンや911の前からずっと。
麻原さんもビンラディンさんも宮崎さんも林さんも、死刑にするべきではないと思っている。
なぜなら、死刑は格好悪いからだ。
「人を殺すのは悪いことだから、殺人した人を殺す」というのは論理的に矛盾している。
そのことに矛盾を感じない人は「体制側」の人間なのだと思う。
森さんも基本的に廃止派である。
被害者の遺族や、刑務官や、元死刑囚や、色々な人に取材を重ねていく。
遺族の感情の問題は重要だという。
重要だけれども、本質ではない。副次的な要素だ。
死刑は代理報復ではないのだから。
本質ではないことは、本質と混ぜこぜにして考えない方がよい。
(死刑の存続・廃止とは別のフェーズで考えるべき問題である。)
今日本では80%の人が存続に賛成なのだそうだ。
職場の隣の席の人も、先日執行のニュースが報道された際に
「もっとじゃんじゃんやればいいのに」というようなことを言っていた。
もちろん僕は、それに対して反論はしない。
なぜなら、格好悪いからだ。